神戸大学大学院海事科学研究科海事博物館(通称:神戸大学海事博物館)は、その前身の神戸高等商船学校や神戸商船大学時代から現在にかけて海事に関する参考資料を幅広く収集展示して教育研究の資に供し、収蔵資料の保管とともに社会変化で散逸しつつあった資料の蒐集に努めてきました。
昭和33年、戦禍をまぬがれた模型や各方面からの寄贈資料を集めた『海事参考館』が発足します。その後、昭和42(1967)年の神戸商船大学50周年(私立川崎商船学校創基50周年)記念事業において現在の展示室が講堂の一階に完成したのを機に『海事資料館』へと改称しました。
平成7(1995)年1月17日午前5時46分に発生した兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)では、所蔵品、展示ケースや保存棚などの多くに甚大な被害を受けましたが、歳月をかけて復興を遂げました。平成15(2003)年10月1日に神戸商船大学と神戸大学とが大学統合しましたが、その1年後の平成16(2004)年10月1日には『海事博物館』へと名称を改めて現在に至ります。
平成25(2013)年3月27日には内閣府から歴史資料等保有施設の指定を受けました。
所 蔵 品
当館の所蔵品には江戸時代後半に日本沿岸や瀬戸内海で活躍した北前船や樽廻船などの和船模型をはじめ、すでに姿を消してしまった"和船"の部分実物、船大工の板図や大工道具類、航路図や海路図屏風、航海の安全を祈願して奉納した絵馬、西洋型帆船や商船模型、近代の航海用具、レシプロ機関やボイラー模型、進水式絵葉書、船と船旅や近代の日本商船隊に関連した寄贈コレクションの他、寄贈書籍など2万3千点を数えます。
古来、四方を海に囲まれた島国"日本"に暮らす民は海から数限りない恩恵を受け、また、海に畏敬の念を抱きながら海を様々なかたちで利用してきました。現代に暮らす私たちの衣食住関連物資、エネルギー資源や産業資機材の大半が海外から輸入され、また、自動車、工業製品や精密加工部品・製品の輸出など、日本の貿易物資の実に99%超が海上輸送の主役である"船"で運ばれています。今や、日本と世界は海という広大な道で密接につながり、船は世界の暮らしと産業に欠かせない重要なインフラになっています。
当館では、海事に関する様々な資料を幅広く収集展示して教育と研究に役立てるとともに海事の啓発に努めています。また、毎年、海の日を記念して企画展を開催し、より実りある博物館活動を目指しています。
日本の豊かで文化的な暮らしに不可欠な存在であり人類が造り上げた最大級の乗り物である"船"と海上物流に関連した様々な常設展示や企画展示を通じて人と海と船の関わりをたどりましょう。人・海・船の過去と現在、さらには夢ある未来が詰まった博物館です。
注意点
画像等の無断使用を禁じます。
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